降旗良房写真展『surface ⇄ undercurrent』を開催

Art Gallery M84は、2017年6月26日(月)より降旗良房写真展『surface ⇄ undercurrent』を開催致します。

 今回の作品展は、Art Gallery M84の第63回目の展示として実施する個展です。
写真展『surface ⇄ undercurrent』は、光を捉え刻々と変化をみせる水面に心を奪われ、これを撮り続けるうちに、絶え間なく変化するその奥底にも様々な表情が見える瞬間を見つけて撮影した作品である。彼の作品は、何をどうやって撮影したのか良く判らない写真も多いが、その表現に惹かれるお客様方も多く、公募展にて5回連続で作品が売れている作家でもある。視覚から認知する彼の初個展『表層から底流まで』約30点の作品をご覧ください。

※レセプションパーティー「7月3日(月) 18:00~」を予定しております。

【作家からの一言】
水面は一見いつもおなじように見える。
しかしその表面で反射する光は刻々と変化し、
心を奪われるには十分に魅力的で、
様々な表情が見てとれる。

一瞬幻のように表層が煌めいたと思いきや次の瞬間には奥に隠れて、
ここには幾重にも積層した階層があり、それぞれのレイヤーごとに異なる表情がある。
ファインダーを覗きながらそんな考えに至った瞬間腑に落ちた。
あぁ、これだ! やっと見つけた!

幼い頃、公園の遊具に巻き込まれ瀕死の重傷を負った。
幸い自ら脱出することができ、砂場まで這いずって助けを乞うた。
周囲には沢山の大人がいたが、その手はひとつも差し伸べられることはなかった。
その事実は私に深い孤独と隔絶を刻んだ。

砂場に横たわった私にはもう一つ大きな変化が起こっていた。
それは幽体離脱だったのか。
砂場は突如積層の連なる階層となり、
自分が己の体を俯瞰しながらこの階層へ深く落ちていく感覚。

気づくと暗い井戸の底のような空間に横たわっている自分を見下ろす自分。
見上げればそこにはゴルフボールほどに丸く切り取られた青い空。
意識を向ければ外の世界が隅々まで見てとれる。
例えればそれは顕微鏡を使って魚眼レンズを覗くような。

一緒に遊んでいた従姉妹たちによる知らせで駆けつけた父が、
私の体を近くの病院に担ぎ込んだが、
私は自力で息を吹き返したそうだ。
俯瞰して見ていた光景を唐突に置き去りにして。

医師は瞳孔が半分開いた状態だったと。
後年父が一度だけ漏らした。
あの時、一目見た瞬間、あぁ、こいつはもうダメだ と。

この経験が内なる自分に新たな視点をもたらしていたことに気づいたのは、
中学の部活で暗室経験を積みながらも高校入学とともに一度手放した写真を、
復活させたこの7〜8年のことだ

普通に風景を撮っても違和感を覚え、
他人のポートレートは勿論、セルフィにも全く興味はなく、
世界のどこかで起こっている衝撃的な事件を記録したい欲求もない。
それでもシャッターを切りたい。

表層の裏側に全く異なる様相を潜ませ、
階層深く幾重にも積み重ねられた様々な表情。
これを一層一層丹念に探し続けたい。
そしてこれを表現したい。

認識できる時間の感覚がいつもと少しズレたら。
共感するはずの視覚にズレが生じたら。
あの時見た特異な光景を他人と共有、いや単に違和感でもいい。
なにか感じて貰えないだろうか。

そうして写真を素材にして”あの世界”を表現し始めた。

「Aqua」、「Surface」、「うつせみ」、「Longterm」と、
様々なアプローチを模索しながらそれぞれ個別のシリーズが生まれた。
その一方で、根底は同じ”あれ”なのだという思いは日に日に強くなる。
そんな試行錯誤の経緯を今回そのまま見て頂こうと思い至った。

表層から底流まで、
各階層の探求の旅はまだまだ続く。
これはその道程である。
写真作家 降旗良房

【降旗良房(ふりはた・よしふさ)氏略歴】
1963年 東京都出身。
1977年 中学校時代は、写真部部長を経験。
2011年 震災を契機に写真活動再開。
2012年 写真家渡部さとる氏主催のWorkshop 2Bに参加。
現在8×10などの大判カメラや防水カメラによる作品制作、サイアノタイプやプラチナパラジウム、ソルトなどのオルタナティブプリントなども取り入れた表現方法を模索中。
あみす工房主宰。https://www.amisu.net/yuukan/index.html

【受賞歴】
2016年07月 写真展『アートの競演2016文月』M84賞受賞
2017年01月 写真展『アートの競演2017睦月』G.I.P.Tokyo賞受賞

【展示歴】
2013年09月 Workshop 2B『ippo』Gallery LeDeco(東京・渋谷)
2014年02月『御苗場Vol.14』パシフィコ横浜(神奈川・横浜)
2014年05月『4LIFE vol.9』PIPPO(東京・浅草)
2014年06月『Photo nico』Gallery LeDeco(東京・渋谷)
2014年07月 写真展『人それぞれ』Art Gallery M84(東京・銀座)
2014年08月『4LIFE vol.10』PIPPO(東京・浅草)
2014年09月 TOKYO 8×10『写真展 2014』目黒区美術館区民ギャラリー(東京・目黒)
2014年09月 第2回『プラチナde写真展2014』ギャラリーコスモス(東京・目黒)
2014年12月 コスモス展『vol.9』ギャラリーコスモス(東京・目黒)
2015年01月 写真展『人それぞれのアート』Art Gallery M84(東京・銀座)
2015年06月『Photo nico』Gallery LeDeco(東京・渋谷)
2015年07月 写真展『アートの競演2015 初夏』Art Gallery M84(東京・銀座)
2015年08月『クロージング展』ギャラリーコスモス(東京・目黒)
2015年09月 TOKYO 8×10『写真展 2015』目黒区美術館区民ギャラリー(東京・目黒)
2015年11月『Alternative写真展』新宿 Cafe89(東京・新宿)
2016年01月 写真展『アートの競演2016初春』Art Gallery M84(東京・銀座)
2016年02月『御苗場Vol.18』横浜大桟橋ホール(神奈川・横浜)
2016年07月 写真展『アートの競演2016文月』Art Gallery M84(東京・銀座)
2016年08月『Photo nico』72 gallery(東京・京橋)
2016年09月 Tokyo 8×10『写真展 2016』目黒区美術館区民ギャラリー(東京・目黒)
2016年11月 Workshop 2B『2B or not 2B』ギャラリーくぼた別館(東京・京橋)
2017年01月 写真展『アートの競演2017睦月』Art Gallery M84(東京・銀座)

【写真展概要】
名  称 : 降旗良房写真展『surface ⇄ undercurrent』
作 品 数 : 約30点
作品販売 : 展示作品は、全て購入可能
主  催 : Art Gallery M84
期  間 : 2017年6月26日(月)~7月8日(土)  ※休館日を除く
場  所 : Art Gallery M84
所 在 地 : 東京都中央区銀座四丁目-11-3 ウインド銀座ビル5階
電  話 : 03-3248-8454
開館時間 : 10:30~18:30(最終日17:00まで)
休 館 日 : 日曜日
入 場 料 : 無料
URL : http://artgallery-m84.com/?p=4047

<降旗良房写真展『surface ⇄ undercurrent』代表作品>
_DSC2251-2
Title : #Aqua #Surface #160606
Edition.No : 1/10
Signature:Yes
Photography year : 2016
Location : Khaolak Thailand
Print Paper Size:420 x 594㎜
Print Method:Pigment Print
予価: 50,000円(税別、額装込み) 
以上

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