七菜乃写真展『IN ザ ROOM』を開催

Art Gallery M84は、2025年11月17日(月)より七菜乃写真展『IN ザ ROOM』を開催致します。

今回の作品展は、Art Gallery M84の第160回目の展示として実施する個展です。
裸は生まれながらに誰もが持つものであり、本来は自然で豊かな存在です。写真展『IN ザ ROOM』は、写真家七菜乃さんが2年間の自宅撮影を通して「裸が日常に息づく姿」を写し出しました。裸を「隠すもの」ではなく「共に在るもの」として捉えた自然な姿であり、その豊かな美しき作品を展示します。入場は、成人限定とさせて頂きます。

【作家からの言葉】
裸は、すべての人が生まれながらにして持っているものです。けれど社会の中で、裸はしばしば「性的なもの」として強く結びつけられ、隠され、排除されてしまう。私はずっと疑問に思ってきました。本当にそれは「いけないもの」なのだろうか、と。

もし誰かが人生で初めて目にする「裸」が、搾取や消費の対象としてではなく、もっと自然で、もっと人間的なものであったなら——その人の人生はきっと、より豊かなものになるのではないか。その思いが、私を「裸を撮る」という行為に向かわせています。

撮影の被写体は、SNSで募集しています。何度も撮影を重ねて親しくなった方にこちらからお声がけすることもありますが、基本的には自ら希望してくださった方を撮影しています。条件はただひとつ、大人であること、そして女体を持っていること。それだけです。だから作品に現れる身体は、特別に選ばれたものではなく、多様で、ありのままの人間の姿なのです。「撮影に参加したい」と思い、実際に参加してくれるという行為。そこからすでに作品づくりは始まっています。

コロナ禍で外出が難しくなった時期、私はモデルの家を訪ねたり、自分の家に招いたりして撮影を続けていました。やがて「もっと撮影したい」という思いが強くなり、自然光の入る広いスペースを求めて、アクセスのよい場所に引っ越しました。その家での二年間は、生活と制作が完全に重なり合う時間でした。日常の中で裸を撮ることは、特別な儀式ではなく、ごく自然な営みとして息づいていったのです。

私はこれまで「個のヌード」と「集団ヌード」の両方を撮り続けてきました。ひとりの身体には、その人が歩んできた時間や経験が宿り、ありのままの存在として画面に現れます。一方で、複数の身体が並ぶ集団ヌードでは、個々の違いが際立ちながらも、互いに響き合い、重なり合い、その場にしか生まれない関係性が立ち上がってきます。

撮影の場は、決して張り詰めたものではありません。裸であることを必要以上に強調するのでもなく、特別な緊張に支配されるのでもなく、むしろ穏やかで、賑やかで、ときに笑い声が混じるような空間です。そこでは裸は「異質なもの」ではなく、自然で、安心して共にできる状態として受け入れられます。だからこそ、身体が並び合うとき、その場の明るさや温かさまでが画面に映り込んでくるのです。

柔らかな自然光に照らされた身体は、花や布、鏡と溶け合い、裸そのものが風景の一部となります。個と集団のヌードが交わりながら、場全体は一つの大きな呼吸のように広がっていきます。そこに見えるのは、人間が「共に在る」ということの、素朴で豊かな姿です。

裸は本来、性的に消費されるための記号ではなく、もっと自由で、多様で、豊かな可能性を持っている。私はそのことを伝えたいと思い、これからも撮り続けていきます。

【七菜乃(なななの/nananano)氏の略歴】
身体と光の関係を通して人の存在と共生の美を探る写真家。
主にヌードを題材に国内外で撮影・発表を行い、個展やグループ展のほか、
写真集『LONG VACATION』『裸体というドレス』『My Aesthetic Feeling』などを刊行している。

【個展・二人展歴】
2015年07月「NANANANO reflex instax minifilm Exhibition」リトルモカ(台北・台湾)
2015年10月「女体愛好家 七菜乃による七菜乃展」アツコバルー(東京・渋谷)
2015年12月「裸体というドレス」神保町画廊(東京・神田)
2017年03月「おひななの祭 2」BAR 星男(東京・新宿)
2017年09月「My Aesthetic Feeling」神保町画廊(東京・神田)
2018年02月「トレコス/アトリエサード刊出版記念展」Span Art Gallery(東京・銀座)
2018年03月「おひななの祭 3」BAR 星男(東京・新宿)
2018年09月「七菜乃写真展」B-FLAT BAR(東京・恵比寿)
2018年11月「裸ノ神殿」清アートスペース(東京・四ツ谷)
2019年03月「おひななの祭 4」BAR 星男(東京・新宿)
2019年05月 二人展「ミニアリーイコール(大塚咲)」弘画廊(恵比寿)/Pulp(大阪)
2020年07月 二人展「七光(光宗)」清アートスペース(東京・四ツ谷)
2020年08月 芸術新聞社「写真集My Aesthetic Feeling出版記念」神保町画廊(東京・神田)
2021年04月「#おうちヌード」神保町画廊(東京・神田)
2021年08月 芸術新聞社「写真集 裸体というドレス出版記念」神保町画廊(東京・神田)
2021年09月「凪」神保町画廊(東京・神田)
2022年02月「STILL LIFE」神保町画廊(東京・神田)
2022年08月「LONG VACATION」神保町画廊(東京・神田)
2022年12月「in the room」新宿眼科画廊(東京・新宿)
2023年07月「Like the blue sky」神保町画廊(東京・神田)
2025年01月「ジョージアにて」神保町画廊(東京・神田)
2025年08月「手のけしき、夏のかげ」GALLERY futari(東京・矢口渡)
2025年09月「It is here, truly.」神保町画廊(東京・神田)

【グループ展歴】
2016年02月「虚ろの国のアリス展」ヴァニラ画廊(東京・銀座)
2018年06月 Span Art Gallery企画「銀座ねこ集会展」東京交通会館(東京・有楽町)
2021年09月「9月の光と風・展」ギャラリーベルンアート(大阪・西天満)
2022年09月「icon contemporary Photography」AXIS Gallery(東京・六本木)
2022年09月「Exhibition π」渋谷藝術 神南ギャラリー(東京・ 渋谷)
2023年05月「BEYOND THE AGES / PORTRAIT」Sansiao Gallery(東京・日本橋)
2023年09月「icon contemporary Photography 2023」AXIS Gallery(東京・六本木)

 Art Gallery M84では、「アートを展示する場、鑑賞する場、作品を購入できる場」にとどまらず、アートを楽しみ、アートを通じての自己表現を志す方々が集える場所、アートの可能性を広げていく拠点になることを目指しています。プロ・アマを問わず、幅広く作家を紹介する企画を開催してまいります。

【写真展概要】
名  称 : 七菜乃写真展『IN ザ ROOM』
作 品 数 : 約20点
販  売 : 展示作品は、全て購入可能
主  催 : Art Gallery M84
期  間 : 2025年11月17日(月) ~ 23日(日) 
場  所 : Art Gallery M84 Right Room
所 在 地 : 東京都中央区銀座四丁目-11-3 ウインド銀座ビル5階
電  話 : 03-3248-8454
開館時間 : 10:30~18:30(最終日17:00まで)
休 館 日 : 会期中無休
入 場 料 : 500円(L・R共通)
URL :  http://artgallery-m84.com/?p=15082

【七菜乃写真展『IN ザ ROOM』代表作品】              © nananano

       © nananano

       © nananano

以上

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